ゴーギャン展@国立近代美術館

 仕事がやっと一息つき、ついでにまもなく終わってしまうということで、国立近代美術館に。
 今回の目玉で、ボストン美術館所蔵の「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」はもちろんよかったけれど、それ以上によかったのが連作版画「ノアノア」だった。自分で刷ったもの、友人がゴーギャンの以来で刷った(ルイ・ロア版)もの、後に息子が刷ったもの(ポーラ版)と、同じ版木のものが3種類ずつ展示されていたのだが、「同じ絵?」と思うようなニュアンスの違いがある。本人の死後に刷られたポーラ版は、本来ならば、「なし」の作品なのだと思うけれど、こちらの方が作品の陰影や、掘り込みなどが現れていて、個人的には好き。
 作品数も午前中に見るにはちょうどよい点数で、「我々は〜」のモチーフが分かるような展示方法など、好感が持てた。問題は、みなが「びたー」っと絵にくっついていて、距離をもって見られないこと。油絵のタッチを見るのはともかく、ある程度離れてみないと、この手の絵は良さが分からないと思う。それでも、離れて人が動いたときを中心に眺めていたのだけれど、やはり近くで見るのと別の絵のように立体感などを感じることができた。空いているのがよければ平日に時間作れと言われそうではあるけれど。